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財政危機で欧州連合(EU)からの金融支援なしには立ちゆかないギリシャが、中東から押し寄せる難民や移民をめぐり、新たな危機に直面している。トルコからエーゲ海を渡ってギリシャの離島にたどり着く中東・西アジアの難民や移民希望者は、7月だけで約5万人に上った。
国連難民高等弁務官事務所によると、今年一月から七月に海路でギリシャに押し寄せた移民などは計十二万四千人で前年同期の八・五倍。夏場を迎えて拍車がかかり、七月一カ月間だけで、約四万千七百人だった昨年一年分を上回った。
英BBC放送の現地からの中継によると、トルコに近いコス島の海岸では深夜から未明にかけ、十数人が乗り込んだゴムボートが次々と到着。砂浜には、脱ぎ捨てられた救命胴衣が散乱している。
中東・アフリカからの移民をめぐっては、北アフリカから地中海を渡ってイタリアを目指すルートが知られ、今年に入って大規模な船の転覆事故も相次いだ。しかし、EUの国境管理機関は「ここ数カ月はギリシャのルートが勢いを増している」と指摘する。
この機関によると、ギリシャ国境で今年確認された移民の九割が、シリアとアフガニスタンの出身者。イスラム過激派によるテロや戦闘が収まらず、陸路でトルコへ逃れる難民が増えているためとみられる。コス島やレスボス島などギリシャ東部の離島はトルコ沿岸から十キロ足らずで、地中海を渡るより危険も小さい。
レスボス島などを視察した難民高等弁務官事務所の担当者は七日、難民らは水や食糧、待避場所などが手当てされておらず「大混乱だ」と強調。ギリシャ側の対応を迫った。しかし、緊縮策に苦しむギリシャは対応がままならない。
チプラス首相は八日、閣議を開き、移民らの本人確認や登録作業を強化し、管理組織を設置することを決めた。同時に「難民や移民の殺到は欧米諸国による(シリアなどへの)軍事介入の結果であることは明白。これは国際問題であり、欧州の問題だ」として、EU各国がさらに負担を分け合うよう求めた。